HSPの視点による「繊細さんの本」から学ぶラクに生きる方法とは?①
私は、自分が「HSP」だと自覚してから、いくつかの本を読みました。
そのなかで、一番良かったのが、
武田友紀さんの『「繊細さん」の本 』です。
この本の著者である、HSP専門カウンセラーの武田友紀さんも、繊細な性格なので、『「繊細さんの本」は、とてもHSPに寄り添ってくれている』と感じます。
そして、読んだ後に、ホッと安心した気持ちになったのです。
だから、HSPで悩んでいる人がいたら、ぜひおすすめしたい一冊です。
そんな『「繊細さん」の本』には、「繊細な感性を大切にしたまま、ラクに生きる方法」が書かれています。
そのなかから、いくつかをピックアップしてお伝えします。
目次
「繊細さんの本」から学ぶラクに生きる方法とは?
魔法の言葉は「とりあえず」
私は、仕事をしている時、「最善の方法を考え過ぎて、物事が先に進まない」ということがよくあります。
例えば、仕事で、ある人に電話をしたい時でも、
・今、電話をしても迷惑じゃないかな
・他に確認事項はないかな
・電話をしなくても解決する方法はないかな
など、あれこれ考えて、なかなか電話ができないんです。
そして、考えているうちに、時間が過ぎて、無駄な時間を過ごしてしまったと焦り、動けなくなってしまう事があります。
また、メールを送る時も、
・読みやすい文章になっているかな
・この内容も書いておいた方が良いかな
・相手が不快に思う内容になっていないかな
など、気になって、なかなかメールが送れず、悶々としてしまう時があります。
でも、そんな時は、
「考え過ぎて動けない」「ベストを求めすぎて、動けなくなっている」
そう気づいたなら、「とりあえず」を取り入れると、日々の仕事や生活がぐっとスピーディーに進みます。
(「繊細さんの本」P.41)
何度かやるうちに「ベストじゃなくても、物事が進む」ことを実感できます。
(「繊細さんの本」P.41)
考え過ぎて動けないとき、合言葉は「ベストはさておき、とりあえず!」
(「繊細さんの本」P.42)
実際に、このように仕事をしている人って、仕事がスピーディーで、「仕事ができて、すごい!」と感じることが多いです。
そして、あれこれ考えて動けなくなってしまう私に比べて、「無駄がない」って思います。
様々な場面を想定すると、頭を使うので、とても疲れます。
そして、グッタリとして、どんどん動けなくなってしまいます。
また、不安を感じやすい性格なので、考え過ぎて怖くなって、動けなくなることも多くあります。
そんな時、いつも助けてくれるのは、「とりあえずやってみよう!」と行動をする職場の先輩です。
確かに、考え過ぎて動けなくなるくらいなら、ベストじゃなくても「とりあえず」行動をすることで、物事が進んでいきますよね。
考え過ぎて動けないとき、合言葉は「ベストはさておき、とりあえず!」
(「繊細さんの本」P.42)
いつも心に刻んて置きたい合言葉だな、と思います。
繊細さんは仕事が遅い?
著者の武田友紀さんは、HSPのことを、「繊細さん」と呼んでいます。
HSP(Highly sensitive person)は、「敏感すぎる人」など訳されますが、著者は、
自分の繊細さを克服すべき課題ととらえるのではなく、いいものとしてとらえる。
(「繊細さんの本」p.8)
として、HSPの事を、「繊細さん」と呼んでいます。
そんな「繊細さん」は、仕事が遅いのか?というお話なのですが、これは先ほどの「魔法の言葉はとりあえず」と似た側面があるなと思いました。
もちろん、決して「いつも仕事がスピーディー」だというわけではありません。
アレコレ考えて、例えば、なかなかメールを送れない時、「どんどん時間が過ぎている。私って仕事が遅い」と感じる事は多々あります。
もしこの時、考え過ぎて動けなくなったら、「とりあえず、確実な内容だけメールしよう」など、先程の「ベストはさておき、とりあえず!」を思い出すと良いと思います。
でも、「自分って仕事が遅い」と感じながらも、仕事を進める事ができているなら、時間をかけて送ったメールが、結果的に、必要な事が全て網羅されていて、こまめにメールのやり取りをするより、早く仕事が終わった、ということがあります。
繊細さんは「あの情報も必要だろう」「もっとこうしたほうがいい」という改善点から「これをやっておかないとあとで困る」という未来のリスクまで、数多くの「やっておいたほうがいいこと」に気がつきます。
(「繊細さん」の本 p.167)
繊細さんから見ると、仕事のゴールまでには多くの落とし穴 –潰しておくべきリスク– があります。先回りしてリスクに対応しようとするので、リスクに気づかず突っ走る同僚と比べると時間がかかるのです。
(「繊細さん」の本 p.167)
この繊細さん仕事の仕方は、決して「遅い」とは限りません。手戻りが少なかったり、深く考えるおかげで他の人が気づかない効率的な方法を編み出していたりと、トータルで見れば同僚と同じスピードか、ときには早いことさえあるのです。
(「繊細さん」の本 p.167)
この部分を読んで、そう思いました。
アレコレ考え過ぎて、「どうしたら良いんだ~」となってしまう時もありますが、アレコレ考える事が、慎重に仕事をすることにつながり、ミスが少なくなる事も事実なんです。
でも、物事をマイナスに考えることが多かったり、自分の良い面より、悪い面が気になってしまうので、「アレコレ深く考えてしまうこと」を、短所として捉えてしまいます。
だから、結果的に、仕事が遅くなくても、「深く考えて処理している時」は、自分を責めてしまうんです。
「こんなに考えて対応しなくても、もっと早く対処できるのでは?」とか、「あの人だったら、もっと早く処理できるのでは?」とか、不安になってきます。
でも、「繊細さん」の本では、
慎重だから大きなミスがない、手戻りが少ないから結果的にスムーズ、など未然に防がれたものは目立ちませんが、確実に成果につながっています。
(「繊細さん」の本 p.170)
と、ハッとさせられました。
「未然に防がれたもの」って、気づかれない事が多いです。
だから褒められる事も、あまりありません。
でも、それが積み重なると、「大きなミスなく仕事ができる慎重な人」と思われ、まわりから信頼される事があります。
慎重だから大きなミスがない、手戻りが少ないから結果的にスムーズ、など未然に防がれたものは目立ちませんが、確実に成果につながっています。
(「繊細さん」の本 p.170)
そう言ってもらえて、繊細さんの私としては、本当に嬉しかったです。
「確実に成果につながっている」
そんな風に捉えた事がなかったので、心に染みる温かい言葉でした。
著者の武田友紀さんは、まさに、
自分の繊細さを克服すべき課題ととらえるのではなく、いいものとしてとらえる。
(「繊細さん」の本 p.170)
繊細さを克服するのではなく、繊細さを活かしていく。
そもそも「繊細さ」って克服できるものではないんですよね。
何十年も生きてきて分かりました。
繊細さは、生まれ持った気質なので、そもそも克服することなんてできないんです。
だから、それを活かして、自分の本音と向き合って生きていく。
無理して生きてきた私にとって、フッと肩の力を抜いてくれた、そんな内容がたくさん書かれた本でした。
HSPの視点による「繊細さんの本」から学ぶラクに生きる方法とは?①―おわりに―
実は、「繊細さん」の本の内容の紹介を、もっともっとする予定だったのですが、予想以上に長くなってしまいました。
だから、数回に分けて書こうと思います。
私は、「自分は心が弱くてダメだな」とか、「いろいろと考え過ぎるな」など、自分自身をマイナスに捉える事が多かったので、「繊細さを克服すべき課題ととらえるのではなく、いいものとしてとらえる。」という著者の考えに、とても安心させられました。
そして、それが表面上のものではなく、実用的に書かれているこの本を、HSPの方にぜひ読んでもらいたいです。
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